海外の競馬記事を訳していくブログ

誤訳などあればコメントにて。括弧書きの文章は力不足で訳せなかったものです。。。

エイシンヒカリ、世界最強を証明できるか

引用元:

www.paulickreport.com


ある日本馬が、ロンジンワールドベストホースランキングとTimeform社のレーティングの両方で世界最強とされている。その名はエイシンヒカリ、前走のイスパーン賞で10馬身差の圧勝劇を演じた馬だ。このパフォーマンスを受け、ワールドベストホースランキングはカリフォルニアクローム(California Chrome)やウィンクス(Winx)を3ポンド上回る129のレーティングを与えた。この5歳馬が水曜日のプリンスオブウェールズSに出走する前に、サラブレッド・レーシング・コメンタリーのジョン・ギルモア氏が陣営に取材を行った。

マネージャーの渡辺正弘氏によると、エイシンヒカリは「目まぐるしく混雑している日本の調教施設と比べて、静かな厩舎で過ごし、広い森で調教をすることができたことで状態が良くなっている」という。「気性に難のあるエイシンヒカリにとって、非常に良いことでした」

エイシンヒカリ坂口正則氏によって調教されている。田中博康騎手がフランスに飛び、エイシンヒカリの最終追い切りを行った。田中騎手によると、「彼は本当に強いですし、ここに来てから一番いい状態にいます。彼はまた強くなりました」という。 (註: 元記事内では坂口調教師の息子のトモヤス氏が最終追い切りに騎乗したことになっていますが、最終追い切りに騎乗したのは田中博康騎手であり、坂口調教師の息子に該当する名前の人物が見当たらないことから、修正して記述しています)

ロイヤルアスコット開催中で最高賞金額を誇るプリンスオブウェールズSが、エイシンヒカリの強さを証明する試練の場となるだろう。少頭数とはなったが、ザグレイギャツビー(The Grey Gatsby)やブリーダーズカップ覇者ファウンド(Found)などが顔を揃えている。


暫定の世界最強馬ということで、エイシンヒカリの注目度は高く、特集を組む記事が多く見受けられます。

イスパーン賞インパクトが非常に大きいのですが、今回の舞台は高低差が20mあるタフなコースのアスコット競馬場。道悪よりもこちらの方が心配です。

初日では、アメリカから遠征してきた牝馬・テピン(Tepin)がクイーンアンSを制しました。エイシンヒカリもこれに続いて欲しいものです。

ロイヤルアスコット開催 歴史に残る6つの瞬間

引用元:

www.racingpost.com


ロイヤルアスコットはシルクハットにドレスにシャンパンを意味するだけでなく、5日間に渡って最高のレースが繰り広げられるイギリスの競馬の祭典でもある。ここではこの10年のロイヤルアスコット開催の中から、歴史に残る瞬間を取り上げる。

2015年 クイーンメアリーステークス - アカプルコ(Acapulco)

ウェスリー・ワード調教師の怪物牝馬が素晴らしいパフォーマンスを見せた。レース前のパドックでも他馬を圧倒し、レースではライバルたちをものともしなかった。調教師はレース後、「私が調教した中で最高の4歳馬、いや3歳馬、違う、2歳馬だ」と言った(註: クイーンマリーステークスは2歳牝馬限定戦)。ワード調教師の言い間違いだったが、彼女の身体能力と圧倒的なレースっぷりからすれば、あながち間違いではなかった。彼女は少女の中に混ざった大人であった。

2014年 ダイヤモンドジュビリーステークス - スレイドパワー(Slade Power)

youtu.be

2014年はGIを2勝した2人による年だった。ジョン・ゴスデン調教師はキングマン(Kingman)でセントジェームスパレスを、ザフューグ(The Fugue)でプリンスオブウェールズを制していたが、一方でエディ・ライナム調教師もスプリントGIを2つ制していた。ソールパワー(Solw Power)が初日のキングズスタンドを勝利し、スレイドパワーが最終日のダイヤモンドジュビリーを完勝したのだった。ライナムはその間に、アンセムアレクサンダー(Anthem Alexander)でクイーンメアリーを制覇している。

2013年 アスコットゴールドカップ - エスティメイト(Estimate)

ロイヤルアスコット開催主催である女王陛下自らが、所有馬でGIレースに勝利することほど特別な瞬間はないだろう。マイケル・スタウトとライアン・ムーアがそれを成し遂げた。彼女は前年にクイーンズヴァーズを勝ち、前哨戦のサガロSも快勝して、4.5倍のオッズで支持を集めていた。 ライアン・ムーア騎乗の下、207年の歴史の中で初めての国家元首所有馬によるゴールドカップ制覇を成し遂げた。女王が拍手して喜ぶ様子がテレビで中継されていた。

2012年 ダイヤモンドジュビリーステークス - ブラックキャビア(Black Caviar)

ブラックキャビアロイヤルアスコット開催に参加するまでに2年かかった。オーストラリアからはるばるやってきたブラックキャビアは、ただ走った。ただ本当に、本当に速く。来た、見た、勝った。75秒に足らない時間で、後続をはるかに置き去りにして。彼女は常に勝利者だった。25戦25勝、1馬身差にまで迫られたのは2回で、ゴール前まで接戦になったのはこのレースだけだった。

2011年 セントジェームスパレスステークス - フランケル(Frankel)

序盤は抑えられていたフランケルだったが、残り5ハロンからロングスパートをかけた。2ハロン地点ではまだ余力があったものの、そこから半ハロンで足が鈍ってきた。ゾファニー(Zoffany)が一歩ずつ差を詰めてきたが、ついにフランケルを捉えることはできなかった。史上最強馬が危うさを見せた、ただ唯一の瞬間だった。

2010年 プリンスオブウェールズステークス - バイワード(Byword)

2010年プリンスオブウェールズSは、マキシム・ギュイヨンのイギリスでの初騎乗でもあった。弱冠21歳の天才は、プロ騎手免許取得から2年ですでに5つのGI勝ちを収めており、世界中にその名を轟かせていた。3.5倍のオッズを集めたバイワードでゴールした瞬間、観客からは大きな祝福を受けた。天才騎手の鮮烈なイギリスデビューだった。


ロイヤルアスコット開催の中継を見ながらこの記事を書いているのですが、日本とは比べ物にならないほど華やかな雰囲気です。まさに貴族の社交場といった感じですね。

レースの方も最高峰で、史上最強馬のフランケルに、最強最速スプリンターのブラックキャビアもこの地で名前を刻んでいます。

こういうことを知りながらレースを見るとまた一味違いますね。この豪華な開催の主要レースで、日本馬が圧倒的人気で出馬することは誇らしく思えます。

【番外編】ロイヤルアスコット開催直前! 注目レースまとめ

いよいよ明日・6月14日(火)からロイヤルアスコット開催が始まります。

5日間にわたってトップクラスのGIレースが多数開催されます。この記事ではその中から注目レースをピックアップし、見どころをまとめました。皆様の観戦の一助になれば。

6/14(Tue)

クイーンアンステークス(芝8ハロン)

ロイヤルアスコット開催の最初のレースとなるマイル戦。本開催では唯一の古馬マイルGIとなります。古馬マイル路線でここを目標にする陣営も多く、昨年は現マイルチャンピオンのソロウ(Solow)が優勝しています。

注目は昨年から11戦9勝のテピン(Tepin)。アメリカのマイル路線で無双を繰り広げていた牝馬が、いよいよヨーロッパに殴り込みをかけます。さらに、日本からはエイシンエルヴィンも参戦。最初のレースから要注目です。

セントジェームズパレスステークス(芝8ハロン)

こちらもマイル戦ですが、3歳牡馬限定。各国の2000ギニー勝ち馬が集結する3歳牡馬マイル最強決定戦となります。日本からはグランプリボスが出走したこともありました(8着)。

一番人気になっているのはフランス2000ギニーを5馬身半差で勝ったザグルカ(The Gurkha)。他にも、アイルランド2000ギニー制覇のオータッド(Awtaad)、同2着のガリレオゴールド(Galileo Gold)、3着のブルードベガ(Blue de Vega)あたりが上位争い圏内だと思われます。マイル路線の新星たちがどのようなレースを繰り広げるのか注目。

6/15(Wed)

プリンスオブウェールズステークス(芝10ハロン)

ロイヤルアスコット開催の中で唯一の中距離GIとなります。ロイヤルアスコット最高の賞金総額75万ポンドをかけて争われる中距離最強馬決定戦です。昨年は天皇賞馬・スピルバーグが挑戦しました(6着)。

注目馬は当然、日本のエイシンヒカリということになります。イスパーン賞で衝撃的な圧勝劇を繰り広げ、5月終了時点での公式レーティングは129で暫定世界ランキング1位。出走馬の中では2枚も3枚も抜けた存在であり、あとはアスコットのタフなコースを攻略できるか。

他にも、打倒エイシンヒカリの筆頭であるタイムテスト(Time Test)、ブリーダーズカップターフ覇者の女傑ファウンド(Found)、フランスダービー馬で今も第一線で活躍し続けるザグレイギャツビー(The Grey Gatsby)、香港ヴァーズ覇者のハイランドリール(Highland Reel)なども出走を予定しています。少頭数ながら豪華メンバーによる熱い戦いが期待できそうです。

6/13 21:15追記

日本時間の月曜日夕方になって状況が一変。 9頭が出走予定でしたが、コバートラブ(Covert Love)が怪我により電撃引退、ハイランドリール・タイムテストが馬場の悪化を理由に回避を表明しました。これにより本レースは6頭という超少頭数で行われることに。エイシンヒカリとファウンドによる一騎討ちという構図が強くなりました。

6/16(Thu)

ゴールドカップ(芝20ハロン)

世界でも最長距離になる4000m以上の超長距離戦。かつては古馬路線最高峰とされた、日本でいうと天皇賞(春)みたいなレースで、ヨーロッパ中から最強ステイヤーが集結します。

人気を集めているのは、昨年に長距離路線に鞍替えしてから4連勝しているオーダーオブセントジョージ(Order Of St George)。ここも連勝して、ヨーロッパ最強ステイヤーに名乗りを上げるか。

6/17(Fri)

コロネーションステークス(芝8ハロン)

こちらは3歳牝馬マイル最強馬決定戦。各国の1000ギニー勝ち馬が集結しての女の戦いが繰り広げられます。

注目馬は何と言ってもマインディング(Minding)。イギリスの牝馬クラシック2冠を達成した、世代を代表する牝馬です。しかしその他も強敵ぞろい。マインディングとライバル感のあるマイルGI馬・バリードイル(Ballydoyle)、ブリーダーズカップジュヴェナイル3着馬で遠征初戦の準重賞を圧勝したアメリカ馬、ネモラリア(Nemoralia)が三強を形成する形になっています。

フリントシャー、今年初戦のマンハッタンステークスを楽勝

引用元:

www.bloodhorse.com


ジュドモントファーム生産、世界を股にかけて活躍しているフリントシャー(Flintshire)が、2着のアイロニカス(Ironicus)に1 3/4馬身差をつけて、マンハッタンSで輝かしい勝利を収めた。

ダンシリ(Dansili)を父に持つこの6歳馬は、単勝人気1.4倍という圧倒的人気を集め、ウィディーンアー・ターフコース(註: ベルモント競馬場の芝コースの愛称)の1 1/4マイルを1:58.92で駆け抜けた。

グランドティト(Grand Tito)がゲート内で立ち上がったことで発走が遅れた。レースではワールドアプルーヴァル(World Approval)、ディヴィジデロ(Divisidero)、グランドティト、アイロニカスが形成する先頭集団の後ろにフリントシャーがつける展開となった。ワールドアプルーヴァルとグランドティトが引っ張る形で直線に入ったが、フリントシャーはそれをあっさりと捉え切った。

フリントシャーはこれまで香港・フランス・アメリカのGIレースを制し、ドバイやイギリスのレースでも上位入賞を果たしている。これが2016年最初のレース、そしてチャド・ブラウン厩舎に転厩してから初めてのレースだった。

これでフリントシャーは20戦6勝、そして2着10回である。獲得賞金も810万ドルを超えた。

2015年、サラトガ競馬場で行われたソードダンサー国際Sで勝利を収めていたが、その後の凱旋門賞香港ヴァーズでは2着が続いていた。

「私の厩舎に来た時、彼は素晴らしい状態でした。私たちの調教プログラムを試したところ彼は適応し、そこから調子が落ちることはありませんでした。今日の走りで、2000mに距離短縮しても問題ないことを彼は証明しました。彼はとても賢いですし、すぐトップスピードに乗せられますし、毎日調教しても大丈夫なほどタフです」

ブラウン調教師は、フリントシャーの今年の最大目標をブリーダーズカップターフとした。

「今後の予定はまだあまり決めていません。ただ、今年のゴールは年末のサンタアニタになるでしょう。そこに至るまでいろいろな道が考えられます。

彼のこれまでのレースリプレイを見てから、彼には大きな信頼を寄せています」騎乗したカステリャーノ騎手は言った。「彼は本当に強い馬です。この国のトップの馬とやらせても勝ち負けできるでしょう」


2着10回という戦績から一部で人気のフリントシャーですが、復帰戦となったマンハッタンSはまさに楽勝でした。

アメリカに転厩していたのは知りませんでした。これからはアメリカのレース中心に使っていくのでしょうか。凱旋門賞2年連続2着の実績があるので、個人的には今年も出走して欲しいのですが。。。

クリエイター、デスティンとの競り合いを制しベルモントS制覇

引用元:

www.bloodhorse.com


ウィンスターファームとボビー・フレイ氏の共同所有馬であるクリエイター(Creator)が、ビッグ・サンディ(註: ベルモント競馬場のダートコースの愛称)の1マイル半で行われたベルモントSを制覇した。

そのタピット(Tapit)産駒の芦毛馬は、最後の1ハロンで急激に追い上げデスティン(Destin)を鼻差制し、三冠の最後の最後の一つを手中に収めた。クリエイターはアーカンソーダービーを制覇していたものの、その後のケンタッキーダービーでは13着だった。これがアスムッセン調教師にとって初のベルモントS制覇となる。

「最高の気分です。(The great thing about racing—you can have a bad day, a bad week, a bad month. They don't put you behind the gates. They put you up even and give you a chance to prove yourself.)」

クリエイターと同厩舎のゲティスバーグ(Gettysburg)(ベルモントSのために転厩し、この後はトッド・プレッチャー調教師のもとに戻る予定である)がペースを作り、最初の6ハロンは24.09、48.48、1:13.38という早い流れだった。デスティンは道中2番手につけ、最後のコーナーで先頭に立ちスパートをかけた。クリエイターは最初のコーナーでは11番手だったが、1マイル通過後に6番手にまで押し上げ、最後の直線に向かった。

クリエイターとラニがデスティンに迫り、結局クリエイターが僅差デスティンを捉えた。タイムは2:28.51だった。

「とてもタフなレースでした」デスティン調教師はゴールした瞬間の写真を見てこう言った。

ラニは3着になり、その1 1/2馬身後ろでガバナーマリブ(Governor Malibu)が4着に入った。

「イラド騎手が完璧に導いてくれました。1ヤードだけ短い距離を走って、1インチの差で勝ちました。大きな違いを作ってくれました」アスムッセン調教師は言った。

クリエイターは一度、ガバナーマリブとストラディヴァリ(Stradivari)の間に押し込められ進路を失ったかに見えたが、そこから二頭を間に割って入って進路を見つけ出した。

「彼は落ち着いていました。進路が開けると、そこから走り始めました」オーティス騎手は言った。

人気のエグザジャレイター(Exaggerator)はケンタッキーダービープリークネスSと同様、6番手でペースについていったが、直線では伸びを見せることはできず、鞍上のケント・デザーモも最後の1ハロンは追うことをやめ、11着に敗れた。

「上手くいくよう祈っていました。馬はずっと行きたがっていて、私の言うことを聞きませんでした」

イグザジャレイターの調教師のキース・デザーモは、クリエイターが伸びあぐねた理由を見つけられないでいたようだった。

「三冠レースを皆勤した疲れが出たのかもしれません。帰って調子を見ます。引き上げてきたときには息切れしているようには見えませんでした。敗戦の理由はわかりません。これから分析します」

2歳戦を除いて6戦目のクリエイターだが、これまで10戦して3勝2着4回・GI2勝の成績を残している。獲得賞金は150万ドル以上で、ベルモントSの三日前に権利を取得したフレイ氏にとっては、これ以上ない買い時だっただろう。

「毎年そうしているように、今年も15から20人の人々をベルモントSに連れて行きました。私はアメリカ(America)問いう牝馬を持っていましたが、先月引退させたので、所有馬がいない状況でした。来客たちには楽しんでもらいたかったので、馬を買うことにしたのです」


ベルモントステークスは7番人気のクリエイターの勝利で幕を閉じました。ケンタッキーダービーの敗戦から、プリークネスSには出走させず立て直してきました。

一方のエグザジャレイターですが、11着と惨敗してしまいました。タフなレースを過密スケジュールで戦っているアメリカ三冠ですが、それを全て参加したことで見えない疲れが出てきていたのでしょうか。

日本のラニは、直線で見せ場十分の3着に健闘しました。お世辞にもダート路線のレベルが高いとは言えない日本の馬でアメリカのGIレースで3着に入ったことは、歴史に残る快挙だと思います。タフな馬ですが、この夏はゆっくり休養して、秋以降の戦いに備えてほしいものです。

フランケルが初年度リーディングサイアーの最有力候補に

引用元:

bloodstock.racingpost.com


出走した5頭中4頭がデビュー勝ちを収めたのを受けて、RaceBets社はフランケルを初年度リーディングサイアーの賭けの一番人気とした。

その4頭は、ジョン・ゴスデン厩舎のクンコ(Cunco)、リチャード・ファイー厩舎のクイーンカインドリー(Queen Kindly)、ロジャー・チャールトン厩舎のフェアエヴァ(Fair Eva)とマーク・ジョンストン厩舎のフランクース(Frankuus)だ。

RaceBets社のジョセフ・バルケ氏はこう述べた。「2月に2倍のオッズでオファーしていましたが、他にも15頭の種牡馬がデビューするのを受けて、4月に6倍に引き上げました。クンコが勝利するまではずっと6倍のままでしたが、そこから3.5倍に引き下げました。

そこから、フェアエヴァが勝利した時に2倍、フランクースが勝った時には1.6倍としました。

唯一勝つことのできなかったマジョリス(Majoris)も、すぐに勝ち上がることができるのは誰の目にも明らかです。イギリスが誇る現代の怪物の第二の馬生にとって、これ以上ないスタートでしょう」


もうフランケルの子供がレースを走る時期になりました。マイル〜中距離で異常な強さを見せた不世出の怪物ですが、その強さを引き継ぐ馬は現れるのでしょうか。

フランケルの血統を見たのですが、ガリレオxディンヒルという競馬界を席巻する血を併せ持ち、しかも自身もノーザンダンサーの3x4を持っていることから、配合相手には結構難儀しそうな気はします。記事に名前が挙がっていたクンコはディンヒルの3x3でした。

さて、初年度リーディングサイアー争いですが、名前に連ねられている中には、現役時代フランケルにボコボコにされていたエクセレブレーション(Excelebration)もいます。第二ラウンドで逆転はなるのでしょうか。

ラニ、ベルモントに向けてさらに上昇

引用元:

www.bloodhorse.com


松永幹夫調教師は、GIIウィナーであるラニチャーチルダウンズではなくベルモントパーク競馬場で行われるケンタッキーダービーに出走させたかったことだろう。

2400mという距離、パサついた馬場、長いバックストレッチなど、多くの条件がラニに合うと松永調教師は言う。ケンタッキーダービーは9着だったが、ベルモント競馬場ではとてもリラックスした雰囲気であり、プリークネスSでは5着となった。そして、6月11日に行われるベルモントSに向けて準備を行っている。

ベルモント競馬場の環境は好きみたいですね。ニューヨークではとてもいい時間を過ごせましたし、土曜日に向けて準備をしています」松永調教師は言った。

「アメリカに来てから、彼はよくやってくれています。ここの環境も静かでとてもいいですね。ダービーの前にこの競馬場の雰囲気を知っていたら、ラニをドバイからニューヨークに連れて行っていましたよ。ダービーで向こう正面があんなにゴチャつくとは思いませんでした」

この日、ラニは5ハロン1:00.43の調教を行った。松永調教師が言うには、ベルモントパーク東京競馬場に似ているという。

「今日は言うことを聞いてくれたみたいです。スピードもストライドも素晴らしかったです。こんなに嬉しいことはないですね」

松永調教師によると、ダービーの前日の調教での奇行で見出しを飾ってしまった(註: こちらの記事)時と比較して、ラニは劇的な成長をしているという。

「プリークネスの前でもラニの状態が良くて嬉しかったのですが、今回もそうです。アメリカで2つのレースを経験して、この国のレーススタイルにも慣れてきたことでしょう。このレースはラニにとって理想的です。勝ったとしても驚きません」

ラニは明白に、ベルモントの2400mという距離を走りきる能力を持っている。彼の父親は2度リーディングサイヤーに輝いているタピット(Tapit)であり、ベルモントS勝ち馬であるトゥーナリスト(Tonalist)を輩出している。そして母はGI馬であるヘヴンリーロマンスであり、その父は2冠馬であり、日本で13年連続のリーディングサイヤーとなったサンデーサイレンスだ。ヘヴンリーロマンスは2000mの距離の天皇賞(秋)勝ち馬で、既に重賞馬のアムールブリエアウォーディーを産んでいる。

ベルモントSの後は日本に戻り、ダートのトップ路線で戦っていく予定だという。3冠レースを全て出走するだけでも素晴らしい偉業だ。今年3冠を完走するのはラニと、プリークネスS覇者のエグザジャレイターだけだ。

「今年の三冠を全て出るのは2頭しかいません。アメリカでは約21000頭の馬が生産されて、その中の2頭です。その中の一頭を調教しています。調教師として大変誇りに思います」


日本時間の6/12早朝、ラニがいよいよベルモントSに出走します。三冠当初からこのレースには可能性があると言われていただけに、期待が高まります。

現地でのラニの注目度はお世辞にも高いとは言えませんが、せっかくなので出走するだけでなく、結果も期待したいところです。

帰国後はどうやら日本のレースに参加するようですが。。。 そういえば日本のダート路線って、GI(JpnI)のレースで2000mが最長距離なんですよね。ラニにとってはもう少し長い方がいいのかもしれませんね。イナリワンが活躍していた時代、東京大賞典は3000mだったようですが。。。